中国との交流

中国の吉林省長春市にある吉林大学へ講演に出かけたついでに、
いくつかの史跡や企業の視察訪問をさせて頂いた。

まずは、吉林大学。
中国の中でも最大規模を誇る総合大学で、学生数は10万人を超え、
12学部、211を超える学科や研究機関が市内の至る所に点在している。
そのため、「長春市に吉林大学があるのではなく、吉林大学の中に長春市が存在する」
とまで言われている。
また、最先端のデザイン建築を用いた校舎がある一方で、
旧満州時代に日本が建築した政府機関の建物を、そのまま校舎として
使用しているところもあり、新旧が併存しているユニークな大学である。

満州国の首都でもあった長春市には
満州国皇帝の溥儀がいた皇宮があり
現在は博物館となって一般公開されている。
残念ながら、ここでも日本を悪者として扱っており、
日本の傀儡国家であったとして、満州国は、「偽満州国」と呼ばれている。
また、この博物館も「偽満皇宮博物院」という名称で
日本に騙された偽物国家・偽満州国としてその歴史を展示公開している。

旧満州国皇宮博物院
旧満州皇宮・緝熙楼

旧満州国皇宮の皇帝執室
満州国皇帝・溥儀夫妻

次に、長春市で1953年に設立された中国最初の自動車メーカー「第一汽車」へ
見学訪問させてもらった。
同社は、国有の三大自動車製造企業グループの一つであり
自社ブランドの「紅旗」を立ち上げ、政府要人用の専用車として使用されている。
また、フォルクスワーゲンをはじめ、トヨタやマツダとの提携も行っている。


中国第一汽車集団公司

さらに、中国のベンチャー企業の若手起業家とも交流を深め、
彼らの事業に対する中国政府の手厚い支援についても
学ぶことが出来た。
中国では政府や大学をあげて、起業家育成やベンチャー企業への
積極的な投資を続けており、事務所借入への便宜や運転資金、
大企業とのコラボレーションなどを政府が支援している。
それは一方で、中国国内における大学卒業者の深刻な就職難を意味しており、
雇用対策の一環としても、ベンチャー支援が行われている。
とはいえ、政府の本格的な起業家投資は日本も見習うものがあると思う。

吉林省の若手起業家支援の拠点、インキュベーションセンター

今回の中国吉林省長春市への訪問は、
自分自身にも大変学びの多いものとなったことを、
吉林大学の先生方や日中両国の関連企業の方々など、
今回訪問した全ての関係者に心から感謝いたします。