日本人、2年ぶりのノーベル賞の受賞に歓喜




いわゆる、先週はノーベル・ウィークとして
ノーベル賞の各賞発表が行われました。

その中で、赤崎 勇氏・天野 浩氏・中村修二氏の
日本人3氏が2014年のノーベル物理学賞を独占したことは、
科学技術立国・日本のレベルの高さを世界に発信し、
LEDの開発で、文字どうり日本社会に明るさをもたらしました。

それは、20世紀中には不可能と言われた、青色LEDの発明の功績であり、
「20世紀は白熱灯が照らし、21世紀はLEDが照らす」と
選考委員に言わしめた世紀の発明の評価であります。

日本人によるノーベル賞の独占受賞は、
2008年の南部陽一郎氏・小林 誠氏・益川敏英氏、以来で
これで日本人のノーベル賞の受賞者数は22名になりました。

今回のノーベル賞の発表は、日本人にとって話題を欠くことがなく、
毎年恒例となった(?)村上春樹氏の文学賞受賞の行方や
今年ノミネートされた、日本国憲法9条の平和賞受賞への期待が
日本国中にありました。
結果は、残念でしたが、来年以降も受賞への期待が高く、
毎年、日本人としては大変気になるところでもあります。

ノーベル賞について、以前他誌のコラムで書かせてもらったことが
あるのですが、日本人にとっては極めて特別な賞になっています。
それは、湯川博士の日本人最初の受賞が、日本社会に大きな夢と希望を
もたらして、戦後の日本人に勇気と誇りを取り戻してくれたことが
あるといわれています。

一方で、最初のノーベル賞の候補に野口英世博士や北里柴三郎博士が
選ばれながら受賞できなかった経緯や、
三島由紀夫氏がノーベル賞受賞を強く期待していたことなど、
日本人が関わった、多くのノーベル賞のドラマが過去にはあったのも、
とても興味深いと思います。
さらに、経済大国として揺ぎ無い評価を受けている日本ですが、
唯一日本人が受賞を逃がしている賞が、ノーベル経済学賞というのも
とても皮肉な気がします。

また、多くの受賞者が日本の研究環境が、海外に比べてまだまだ不自由な
環境にあると指摘していることは、その関係者は真摯に受け止め、
続く研究者たちのために、しっかりと改善に努めていただきたいと、
切に願うものです。