ミャンマー産業人材の育成



先日、株式会社共同通信エンタープライズのミャンマー経済・投資センター
(JMEIC)主催による第19回例会セミナーに、SBSホールディングス株式会社の
渋谷修二代表取締役と共に呼んで頂き、「ミャンマー産業人材の育成について」
お話しする機会を頂きました。

今回のセミナーの聴衆が、開発経済・国際金融といった専門家が多く、
ミャンマーでの産業人材の育成事業をご理解いただけるか心配を
していたのですが、それは杞憂に終わり、多くの活発な質疑応答を
会場で行うことができました。

これから続く、日本社会の構造的欠陥として、産業労働に関わる人口減少、つまり企業の人手不足に日本社会はどう対応していくかの、答えの一つに、外国人労働者の受入れがあります。

もちろん、無秩序な外国人の受入れは、文化の軋轢を生み、治安の悪化を招くことが指摘されていることを理解しなければなりません。

一方で、少子高齢化が続いている日本は、当然の帰結として労働力不足に陥っている実情があります。
特に、建設や製造業、コンビニ・ファーストフードの現場では大変に深刻な事態に直面しているのです。

そして、長らく軍政が続いたミャンマーでは、国内産業が未成熟で、適切な教育を受けた多くの若者の雇用を十分に吸収することが、困難な現状にあります。
さらに、日本との経済格差が、逆にミャンマーの若者には日本での労働を魅力的なものにしているのです。

実際に、日本での日給がミャンマーでの月給に相当する格差があると言われてます。

それだからこそ、しっかりとした制度をつくり、両国にとって意味のある産業人材の受入れを行うべきなのです。
それが、以前も紹介したSBSグループの提唱している「OTAGAISAMA」プロジェクトです。

労働力輸出を図るミャンーと国内の産業労働力を確保したい日本は、
まさに、お互いさまであり、決して上から見下すような話ではありません。
両国の健全な経済発展には、両国の秩序ある産業人材に関するルールづくりが
求められ、適切で対等な両国関係が存在しなければなりません。

「親日の国・ミャンマー」との国民レベルの交流、職場を通じた友好親善を
図ることは、これからの日本にとって、とても重要な政策の一つだと、
私は確信しています。