2015年 日韓国交正常化50年の年に


1965年6月22日、日韓基本条約が調印され、両国の国交が
正常化した記念すべき日から、今日でちょうど50年となる。

基本条約締結までの交渉に14年間もの年月を費やし、苦難の末に
調印したもので、まさに多くの関係者のご苦労と英知の結晶といえよう。

2002年のサッカーW杯日韓共同開催や、その翌年に放送された
「冬のソナタ」の韓国ドラマやK-POPグループによる韓流ブームが
日本を席巻し、日韓の経済、文化の交流は急速に拡大した。

ところが、2011年12月にソウルの日本大使館前に慰安婦を象徴する
少女の像を強行に設置、それが今日までアメリカなど海外での設置活動など
拡大した反日的運動として続けられている。
さらに、2012年8月に当時の李明博大統領による竹島上陸では、
日本中に嫌韓のスイッチを押してしまった感じがある。

それ以外にも、靖国神社への放火事件や、対馬仏像盗難事件、最近では、
産経新聞前ソウル支局長在宅起訴問題や世界文化遺産登録反対問題など
日本人には理不尽な事柄にしか映らないことが多く続いた。

最新の、日韓の共同世論調査では、日本人の73%が韓国に不信感を
韓国人の85%が日本に不信感を、それぞれ抱いていると分かった。
これは、過去最高の数字になっているという。

日韓国交正常化50周年記念の今年が、実は日韓関係が最悪というのでは
先人たちに誠に申し訳ない気になってしまう。

隣国は、どこ地域でも歴史的な経緯もあり、難しい関係にあるのは
国際政治の常識である。
だからこそ、常に未来志向の関係を両国が志向する必要があり、
その前提としての、冷静で客観的な歴史認識が共有されるのが
望ましいと思う。

これまでの日韓50年の先人の労苦に負けない、これからの50年を
我々は様々な苦難を乗り越えて創り上げていく、歴史的な覚悟をもち、
次世代を担う両国の指導者と共に未来志向の努力を重ねて
いかなければならないと思う。