先日、名古屋市で開催された愛知県自殺対策推進協議会に
委員として出席してきました。
私自身、この協議会が設置された平成19年から、委員として
協議会に参加しており、行政としての愛知県の自殺対策に
ついては深く関与しているものです。
平成10年に自殺者が全国で3万人を超えたとき、愛知県では
1579人の自殺者を出していました。
それ以降、平成23年まで13年間連続で全国の自殺者は3万人を
超えていて、その後3年連続で、3万人を下回る傾向を示していました。
ところが、愛知県内の自殺者は平成25年でも1517人と、依然として
高かったのが大きな特徴でしたが、昨年の平成26年は1395人と
大幅に増加した平成10年以降で、初めて1400人を下回る最も少ない
統計数字となりました。
これらの自殺者数の減少傾向は、長年、地道な自殺対策を全国的に
推進してきた努力の成果だと素直に喜びたいところです。
とは言え、昨今テレビのワイドショーをにぎわした子どもたちの
イジメ自殺問題など、依然として社会の大きな課題であることには
違いないことだと思います。
さらに、深刻なのは40代・50代・60代の働き盛りの自殺が数として
最も多く、原因も健康問題と経済問題が圧倒的に多いのが正直痛ましい。
今年2015年の12月から、職場での従業員に対するストレスチェックと
面接指導の実施等が義務になります。
心の負担が積み重なっていくわずかな変化に、周りが少しでも早期に
気づいてあげることで、必要に応じた適切な処置がとれるということが、
とても大切なことであると思います。
「気づきと見守りにより生きやすい社会の実現」、
これは、私たちが作成した「あいち自殺対策総合計画」の理念であり
様々な関係者が毎日、真剣に自殺対策に取り組んでいるということを
一人でも多くの方々に、忘れないでいて欲しいと思います。