第189回通常国会が戦後最長の会期を終えて閉会


本年1月26日に召集され、6月22日に会期の延長を行い、結果として245日にわた
る戦後最長となる歴史的な通常国会となった、第189回国会が9月27日に閉会しま
した。

今国会では、派遣労働者の受け入れ期間を一定の条件の下で延長できるように
する改正労働者派遣法、ブラック企業対策が盛りこまれた青少年雇用促進法、
選挙権年齢を「20歳以上」から「18歳以上」に引き下げる改正公職選挙法、
参議院選挙の「鳥取と島根」「徳島と高知」の各選挙区を統合する「2合区」を
柱とした「10増10減」の改正公職選挙法、JA全中の一般社団法人化をうたった
改正農協法、マイナンバーの利用範囲を預金口座や特定健康診査(メタボ健診)
にも拡大する改正マイナンバー法などをはじめ、国民生活に直結する重要な法案
が多く成立している。もちろん、今国会最大の争点となった、集団的自衛権の
限定的行使容認を含む平和安全法制各法案の成立は、特筆すべき歴史的事項に
違いない。
ちなみに、今国会の法案成立率は88.0%と高いものでした。

新聞・テレビで取り上げられた、安保法案をめぐる狂騒ぶりは、著名な学者や
タレントなど多彩な国民を巻き込んだ連日のデモ活動や委員会での強行採決、
深夜未明に及ぶ本会議での採決などを経て、成立いたしました。
冷静に考えれば、多数を擁する与党の議会構成上、むしろ可決成立は既定路線と
いえるもので、先に挙げた高い法案成立率はそれを裏付けているものだ。

ただし、法律は国会で可決成立したら、終わりではない。
むしろ、その後の運用が重要であり、国民の中に受け入れられてこそ、法律の
適用がなされていくものである。
政府が本気で安保法の意義を唱えるのであれば、今後は国民の理解に資する努力
がかなり必要であり、野党側は政府の主張や行動の矛盾なり過ちを、同じく国民
に知らしめ、理解を深めてもらう活動が求められる。
日本の民主主義を守り抜くのが、議会議員の役割であるならば、しっかりと与党
も野党も、今後もその責任を果たさなければならない。
その戦いは、あくまでも議会の議論を通じた言論によるものであるが、国会議員は
国民が生命・財産を託す存在として文字通り、命がけでその責務に当たって頂きた
いと率直に願うものである。