桂歌丸 噺家生活65周年記念興行に行ってきました


突然の体調不良もあり、しばらく5月はブログを書けずにいました。
やっと快気し完全復活して、まずは憂鬱な世間を笑い飛ばすために
寄席に行ってきました。

その日は、桂歌丸さんの噺家生活65周年記念の興行が浅草で行われ、
人気テレビ番組の笑点を初放送から50年間出演されてきた人気噺家
の記念興行だけあって開演前から異常な熱気がありました。
上方からは大御所の笑福亭鶴光、テレビでおなじみの桂米助など
多彩な出演者で盛り上げられた記念寄席は、実際に始まってみれば、
立ち見客もあふれ出るほどの大盛況でした。


落語の妙味は、古典や新作の話を巧みに語ることだけでなく、
昨今の時事ネタを織り交ぜながら、政治や経済、社会に対する
庶民の気持ちを代弁して笑いとすることにあるように私は思います。
今回も多くの出演者が、いま問題にされている舛添東京都知事の
政治資金不適切支出問題や芸能人の不倫問題、アベノミクスへの
疑問など、庶民の不満や疑問の声を言葉巧みに取り上げていました。

 もちろん、世の中には笑い飛ばせないこともあります。
世界各地では戦争やテロが行われ、貧困にあえぐ子供たちも
後を絶ちません。日本国内でも、ストーカー事件や格差の拡大など、
多くの課題が山積していることは事実であり、現実です。

でも、日本人は多くの深刻な問題を、少し皮肉を込めて笑いに
変える知恵を大昔から行ってきたのです。
そうした、日本の大衆文化の一面を味わえ、あらためて寄席の
素晴らしさに気づかされました。