吉林省科学技術協会のセミナーと朝鮮族自治州への訪問


6月、7月は参議院選挙や東京都知事選挙と自分の周辺がバタバタと選挙に
明け暮れ、気がつけば、毎日が過ぎていく不思議な感じでした。
そうした中でも、先日、中国は吉林省長春市の吉林大学に呼ばれ、講演や
セミナー、座談会等に参加してきました。
昨年も吉林大学には講演で呼ばれることがありましたが、今回は同大学で
大変懇意にしております衣保中教授の紹介で、吉林省科学技術協会での
セミナーにも参加することになりました。中国の科学技術政策や吉林省の
科学技術部門での取り組みについて説明を頂き、その後、日中の科学技術
政策についての活発な意見交換を行いました。


吉林省は、一汽という有名な自動車メーカーがあるほか、航空宇宙産業や、
鉄道車両などの産業が盛んな地域として有名なのです。
そうしたこともあり、市政府の勧めで、長春市からおよそ300km以上
離れた延吉市まで中国新幹線に乗車し、朝鮮族自治州まで視察してきました。
延吉市では、延辺大学や各施設、さらには金日成が生まれたとされる北朝鮮
との国境にある長白山(白頭山)などを見学してきました。


中国東北部は、これまで発展が遅れてきたこともあり、現在では中央政府の
大方針によって集中的に公共投資が進められ街全体が様変わりしつつある
ようです。夜の街のイルミネーションも街の雰囲気を演出するために政府の
資金で積極的にデザインされ作れらているとのことです。
その一方で、旧満州時代に日本が建築した建物が多数現存し、今でも政府系
の重要な建物として使用されていることに驚かされます。




また、朝鮮族自治州ということもあり、
すべての街中の表示に朝鮮文字のハングル語が併記されて
おり、民族の文化を地域として保護していました。
また、急速な都市開発の副産物として、市政府の幹部の方々が教えてくれた
エピソードとして、各地の開発の途中で予想もしなかった恐竜の化石が多数
発見されてきており、ジェラシックパークではないけれど、太古の恐竜による
町おこし、地域振興を考えていることを教えてくれました。
中国の地方各地を訪れて感心することに、その地域に住む人々のたくましさと
行政府の大胆な政策方針の決定があります。
政治的にも経済的にも大きな変化もなく安定した社会を形成している日本から
眺めていると、ある意味羨ましくもある、中国の発展開発のエネルギーを肌で
感じた視察となりました。