先日、中国仏教4大名山(山西省の五台山、浙江省の普陀山、安徽省の九華山)の
一つであり、天下の名山と謳われた四川省の峨眉山(標高3099m)を登頂して参り
ました。
古くから仙人が住むと言われる霊験あらたかな峨眉山は、多くが3077mの金頂にある
華蔵寺での参拝を目的に登頂するという。
中国4大仏教聖地の中で普賢菩薩を祀り、多くの歴史的建造物が残る山頂は、
一種独特の霊的雰囲気が漂う。
頂上付近では、雲海広がり、明け方、日出御来光を目のあたりにすると、その神秘的
で幻想的な光景に息を飲むという。
1996年12月7日にユネスコの世界遺産(文化と自然の複合施設)に登録されたのも
当然というえば当然なことであろう。
今回は、霧雨むせぶ天候の中で、御来光を拝むことは出来なかったが、神秘性に
満ちた雰囲気を十分に体感できたことは、自分自身の人生の貴重な体験であり、
極限に近い自然条件の中で、不思議と人智を越える未知なる力の存在を受け入れら
れた神秘体験だったといえる。
さらに、同じ峨眉山風景区内の他山の仏閣として、唐の詩人李白が詠んだといわれる
万年寺(標高1020m)も時間をかけて参拝した。
今から約二千年ほど前から、既に峨眉山信仰は存在し、紀元1世紀頃から宗教施設は
建造されてきたといわれている。
二千年後の我々は、舗装された道路を車を使い、そして急斜面はロープウェイを乗り
継ぎながら、山頂を目指す。そんな昔の人の苦労を体感することなく山頂を目指すと、
やはりそこには大きな天罰が待っています。
楽して山を登ると、軽度の高山病に間違いなくかかるのです。
そこでも、昔からの知恵もあり、滑竿とよばれる駕籠屋のような担ぎ手がいてくれて
急な坂道が続く結構な距離を二人がかりで担いで運んでくれます。
実際に、僕もお世話になりました。
ゆっくりと、体と心をこの峨眉山に慣らして登っていく。こうした登山自体も、
山岳信仰の修行の一つなんだと身を持って感じた次第です。