先日、訪問した中国西安から、念願の兵馬俑を見学したした後、
唐の玄宗皇帝が楊貴妃のために造営した離宮として有名な
「華清池」を訪れました。
元来、この地は周の時代から三千年以上の歴史がある温泉地でも
あり、古都西安郊外の驪山(りざん)のふもとに位置する、
とても風光明媚な所でもあり、唐の詩人白居易による『長恨歌』
にも詠われていることでも有名な景勝地です。
とは言え、1982年に偶然に温泉跡が発見され、園内の整備を行い
一般公開されるようになったのは、1990年になってからという
観光地としては比較的新しい施設でもあります。
華清池内には、楊貴妃が入浴したとされる専用の温泉「貴妃池」や
玄宗皇帝のお風呂である「蓮華湯」、唐の太宗・李世民の時代に
皇帝専用の温泉として作られた「星辰湯」などがあります。
さらに、唐の時代に、この施設内に作られた宮廷音楽家養成所と
音楽施設である「梨園祖庭」「梨園東坊」などがあり、日本で
歌舞伎の世界を指す梨園の語源になった地でもあります。
また、中国近代史においては、この地は蔣介石が張学良・楊虎城ら
に拉致・監禁された西安事変(1936年)の場所であり、国共合作が
促された近代中国にとって大変歴史的な場所でもありました。