西安の大学習巷清真寺を訪ねて



西安には二大清真寺といわれている、
化覚巷の西安大清真寺と大学習巷清真寺が、
イスラム教寺院として西安で最初の寺院として、
建立されている。

両寺院は、それぞれ東大寺と西大寺と呼ばれ、
同等同格の地位にある。
15世紀以降、中国ではイスラム教を「清真教」と呼ぶようになり、
その寺院を中国では清真寺と称することになった。


また、中国のムスリムは回族を中心としていたため、
回教徒と呼ばれることもある。


さて、回民街の大学習巷の北端にある大学習巷清真寺を訪ねた。
中に入れば、中近東にあるいわゆるイスラム・モスクとは大きく違い
建物の配置やアラビア文字などのイスラム的なものは微かに残しつつも、
その建築様式をはじめ、ほとんどが中国様式となっているのである。
最もイスラム的なアーチドーム建築はなく、ミナレットとされる省心閣も
見る限り中国的な楼閣になっている。





見るべきことは様式の変容ではなく、イスラム教が崇拝の形を変えようと、
しっかりとその国や地域に根づいて信徒の信仰を守ってきているという、
根本の変わらぬ役割、原点がここにはあるということではないだろうか。