2020年(令和2年)とは何だったのか

 

新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大に揺れた2020年。その結果、多くのものが吹っ飛んでしまったことも、その影響の深刻さを推し量ることが出来る。
日本では、開催が予定されていた東京オリンピック・パラリンピックが
吹っ飛び、戦後最長を誇っていた安倍政権も吹っ飛んだ。アメリカでは、トランプ政権が吹っ飛び、アメリカ社会の分断が進んでいるともいえる。中国では、香港・台湾の取り扱いに手を焼き、政府による管理監視社会の徹底が図られている。欧州や中東経済の回復が弱いなか、世界経済も立ち直りに時間を要する。

未知のウイルスにより、日本を含め世界中の人々の尊い命が直接的に失われ、大勢の人々の生命にいまだに脅威を与えている。

 

 日本社会では、命の脅威は別の形で現れることになる。自殺者数の増加だ。なかでも、女性と若者の自殺者数の増加は深刻な社会現象となっている。

「新型コロナウイルス感染症そのものよりも、はるかに多くの日本人が自殺によって亡くなっている。」マスコミによって報じられた、この事実は立て続けに起きた有名人の自死と併せて、2020年の日本社会に衝撃を与えた。さらに、地震や風水害災害も頻発し、多くの人々の暮らしを一瞬で奪う中、コロナ対策下での救助の難しさも学ぶことになった。

 

 こうした、現象や傾向は、まだ2021年にも引き継がれるだろう。国連のSDGsに指摘される、飢餓や貧困、地球環境に新たな感染症対策など、21世紀の人類が直面する課題は、複雑で深刻なものになっている。

 2021年、人類が英知を結集して新型コロナウイルスや地球環境問題に対し反転攻勢をかけるターニングポイントとなるよう心から期待をかけたいと思う。